高知東クリニック

脳外科・内科 高知東クリニック│高知県南国市篠原161番4

医療コラム

2019年8月

治ると思っていませんか?

損傷脳の回復、再生は常に研究されており、将来の臨床適応はあり得ますが、まだ不十分な状況です。脳梗塞・脳出血を発症後、完治したという方がいますが、基本的に現段階で治るということはなく、脳挫傷(頭部外傷で脳に傷が付く)でも同じです。

脳損傷を生じると傷痕として残ってしまいます。治ったと感じるのは症状の回復であり、症状が残存する部分の脳損傷を免れたというだけです。発症時はまひ・言語障害・嚥下(えんげ)障害・しびれ等の障害を起こす近隣の脳が圧迫されたり、腫れを起こして症状が出ていたのが、治療と時間経過で圧迫、腫れがなくなり、結果として症状が消失したというわけです。臨床的には損傷脳の回復はないか、ないに等しい状況です。もしも脳損傷がずばり障害を継続させる部分の脳そのものに起こると回復しません。

だからこそ、特に脳卒中では予防が大切になります。日々の血圧コントロール、減塩、水分補給、糖尿病、高脂血症、肥満、気温変化、喫煙、飲酒量、メタボリック症候群などに十分留意する必要があるのです。

 

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