2016年1月
頭部外傷によるくも膜下出血は除き、みなさまが名前を聞いてすぐ頭に浮かぶくも膜下出血は、発症すると半数もしくはそれ以上の方が亡くなる恐ろしい病気です。
多くは脳動脈瘤という脳動脈の瘤(こぶ)の壁の薄い部分が破れ、そこから出血することで発症します。この瘤(こぶ)は通常2~6%の方が保有しており、破れなければなんら症状はなく生涯生活できますが、破れるとくも膜下出血となり、激烈な首~後頭部の痛み、嘔吐、意識障害で発症し、命に関わります。多くの場合、脳の磁気共鳴画像装置(MRI)で発症前に脳動脈瘤は発見が可能です。治療は開頭手術(クリッピング)と血管内手術(コイル)があります。
発症後の治療では限界があり、救命できない場合があります。しかし、すべての未破裂の動脈瘤を発症前に治療するのがいいかというと、ことはそう簡単ではありません。治療にもリスクが伴うからです。場所、形にもよりますが、一般的に5ミリ以上の動脈瘤は発症前治療が推奨されます。脳外科専門の医師とよく相談の上、決定するとよいでしょう。
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