2016年6月
一般に、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍といった病名を聞けば、何らかの症状がありそうですが、そうとも限りません。脳外科の外来では、毎年のように症状のない、もしくは患者さんのおっしゃる症状とは無関係な脳病変が見つかっています。それはなぜでしょうか?
脳に病気が起きたとき、症状を出さない脳の領域が存在するからです。逆に、症状を出す領域に病気が起これば、すぐに症状が出るわけです。しかし最初は症状がなくても、放置すれば、症状の出る領域に脳梗塞や脳出血が新たにできてしまったり、脳腫瘍が成長して症状を出す領域に進展してしまうことにつながります。
つまり、脳も他の臓器と同じように、見張ってあげないといけない臓器なのです。頭痛、筋力低下、目まい、言語障害などの自覚症状がない場合でも、中年以降の年代の方は、医師と相談し、頭部のコンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)検査で脳を見張ってあげるといいでしょう。
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