2019年4月
当院では最近、慢性硬膜下血腫の方を多く見掛けます。慢性硬膜下血腫とは、頭部外傷後慢性期(通常1~4カ月後)に脳の表面に血(血腫)がたまる病気で、血腫が脳を圧迫して症状が出現します。通常、高齢男性に多く見られます。頭部外傷後の慢性期に頭痛、嘔吐(おうと)、片麻痺(まひ)、歩行障害、認知症、失語などが、単独もしくは複数組み合わさって発症します。
頭部外傷未確認例も10~30%存在します。血腫の大きさが小さい場合、自然治癒することもありますが、基本的には手術が推奨されます。一般に1~1.5センチ径の穴を頭蓋骨に開けて血を抜く、もしくは洗浄する手術を行い、通常は局所麻酔で行えます。15~30分程度の手術です。
この疾患は、手術により症状が改善することが多く、脳の手術として多くの方が想像する難治性のイメージとはかけ離れた疾患です。脳外科医師は毎月のように目にする疾患です。専門の医師にご相談ください。
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