2019年5月
脳画像検査といえば磁気共鳴画像装置(MRI)、コンピューター断層撮影(CT)、血管撮影(DSA)などが有名です。病気についてのお話の中で、これらの検査名を耳にする機会は多いでしょう。ただ脳の病気はすべて脳画像検査で診断がつくと誤解されている場合があります。
脳画像で診断がつきやすいのは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、外傷性頭蓋内出血(脳挫傷・慢性硬膜下血腫含む)、脳腫瘍、水頭症、脳動脈瘤(りゅう)、脳血管奇形、脳動脈狭窄(きょうさく)症(動脈内腔(ないくう)が狭くなっている)などです。
これに対して、てんかん、認知症関連疾患、髄膜炎・脳炎などの炎症性疾患、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィーらの難病指定疾患などは、病気の確定診断に至る前に、ほかの脳疾患を否定する目的で補助的に脳画像検査を使用し、神経学的所見や血液・髄液検査らを組み合わせ、総合的判断で診断する場合も多いのです。
また、脳画像検査は行うものの、診察所見で大方の診断がつく疾患もあります。脳画像検査は万能の診断マシンのように思われがちですが、実はそうではないのす。
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