2020年4月
「脳梗塞、脳出血が治りました」とおっしゃる方がいますが、実はこれは間違いです。一度でも起こった脳梗塞・脳出血・脳挫傷などは脳内で傷痕となり治ることはありません。急所を外れた病変は脳の腫れが収まると症状が消えることがあり、病気が治ったと誤解されます。時間がかなり経過した脳梗塞・脳出血・脳挫傷も、脳画像では傷痕と確認され治っていません。脳・脊髄は、肝臓などと異なり、再生しない臓器だからです。
現在、幹細胞からいろいろな移植治療が可能となり、将来は脳・脊髄病変も本当に治せるようになるかもしれません。しかし現状では、運良く病変が急所を外れて発症するのを願うか、脳血管病変を起こさぬよう、医師と相談しつつ日々注意を払うかです。
血圧管理、高脂血症や糖尿病治療、肥満解消、禁煙指導、脳梗塞予防薬服薬などはよく行われていますが、必ずしも薬剤が必要とは限りません。かかりつけ医と相談し、必要に応じて行っていけばよいでしょう。
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