2020年9月
以前にも記載しましたが、世間では慢性頭痛をなんでもかんでも片頭痛と呼ぶ慣習がありますが、医学的には間違いです。片頭痛とは脳血管収縮後の拡張により起こる頭痛であり神経痛や筋緊張性頭痛とは異なります。
片頭痛の多くは頭痛の程度が強く、仕事の継続ができないほどで、学生さんでは授業を受けることも難しいと思われます。頭痛の発症からピークまでは10分〜1時間と比較的短く、女性に多い傾向があります。家族に片頭痛の方がいると発症しやすくなり、通常の鎮痛剤では効果がないか非常に効果が薄いといえます。典型例は脈打つ頭痛(拍動性頭痛)で、光が見える・何かが飛ぶ・物がゆがんで見えるなどの前兆があります。
最近、拍動性頭痛は必須条件ではなく、光による増悪やまぶしく感じるといった症状の方が特徴的であり、診断に重要だと分かってきました。脳の磁気共鳴画像装置(MRI)で脳腫瘍など脳病変を否定した上で、適切な薬剤選択をすれば抑えられる可能性があります。
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