2021年5月
聴力低下を感じた場合、耳鼻科で相談することが多いでしょう。これは、非常に理にかなっています。加齢による難聴は治らないものも多いのですが、中耳炎、突発性難聴、メニエール病など、耳鼻科医師でなければ診断・治療がし難い病気が多数あるからです。
今回お伝えしたいのは、脳神経外科領域の病気で、聴神経腫瘍という脳腫瘍を原因とする聴力低下があり得るということです。この腫瘍は聴神経から発生し、成長につれ徐々に聴力低下を来します。ある程度以上大きくなると、聴力を温存しつつ顔面神経まひを起こさずに、手術で摘出することが難しくなります。また、突然に前触れなく発症する聴力低下の場合、突発性難聴だけでなく、特殊な脳梗塞や脳出血も考えられます。
聴力低下を自覚しましたら、治療を要す病気が隠れていないか、耳鼻科と脳外科にまずは相談してみましょう。
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