2022年2月
脳梗塞、脳出血、脳腫瘍という病気には何らかの症状がありそうですが、実際はそうとも限りません。脳外科外来では、毎年のように自覚症状のない脳病変が見つかっています。脳には病気を発症しても症状を出さない領域が存在するからです。逆に、症状を出す領域に病気が起こればすぐに症状が現れます。
症状のない脳梗塞や脳出血の存在を事前に確認できれば、降圧、脂質異常対策、糖のコントロールなどで、病気の到来を遅らせることができるかもしれません。脳腫瘍が無症状の場合は、後に成長して症状を出す領域に進展したり、大きくなり手術が難しくなることがあります。
つまり脳も他臓器と同様に、見張ってあげないといけない臓器です。自覚症状がない場合でも、中年以降の年代の方は、医師と相談し、頭部のコンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)検査を行うとよいでしょう。ただし、全くの無症状の場合は保険診療ができないかもしれません。
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